共に“循環型社会”を目指す!NAGIEのパートナー「日本環境設計」の北九州響灘工場を訪問

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NAGIEのフィロソフィーの1つである“Recycling System(循環させるブランドを目指す)”という想いは、日本環境設計株式会社(以下:日本環境設計)の存在がなければ成し遂げられません。再生素材の活用、そして不要になった服の再資源化を目指すNAGIEにとって、日本環境設計は再資源化を託すパートナーです。今回、NAGIEのアンバサダーを務めるモデルの諸橋コウタさん、出岡美咲さん、そして新たにNAGIEが目指す循環への思いに賛同してくださったアパレルブランド「ETRÉ TOKYO」のクリエイティブ・ディレクターJUNNAさんと共に、福岡・北九州市にある日本環境設計の北九州響灘工場を訪れました。取締役会長の岩元美智彦さんに、リサイクル事業を立ち上げた想いや高いリサイクル技術、そしてNAGIEとの取り組みについて伺っています。

世界有数の技術を有する日本環境設計の「再生ポリエステル製造事業」

日本環境設計は、“服から服を作る技術”を有する「再生ポリエステル製造事業」を柱にした先進企業。“あらゆるものを循環させる”のビジョンを掲げる同社の北九州響灘工場は、循環型社会を目指す企業や大学の研究所が集まる「北九州エコタウン」の中にあります。すべてに再生素材を使うことで環境にやさしい服を届ける、そして不要になった服を再資源に変えていくNAGIEの大切なパートナーです。

服の大量生産と大量廃棄が、環境汚染へとつながっていることをご存知でしょうか? 日本では年間約30億枚の服が生産され、そのうち約半分の15億枚(100万トン以上)が焼却や埋め立て廃棄されています。

この問題を解決する糸口のひとつが、衣料品の約60%に使用されているポリエステルを再生利用すること。その再生技術を持つのが、今回訪問した日本環境設計です。不要になった衣類を回収し、そこからポリエステル繊維を分解、さらに脱色・生成して、もう一度ポリエステル繊維の原料であるポリエステル樹脂を製造。非常に高い技術が求められる“ケミカル・リサイクルを実現する世界有数の技術を開発しています。

こちらは、資源として回収された衣類をリサイクル方法に応じて選別を行うソーティングセンター。月に約40トン届く衣類を、複数人のスタッフで仕分けしています。その後仕分けした衣類は倉庫に運ばれ、ポリエステル樹脂に生まれ変わる時を待ちます。

そのほとんどを自社で設計して構築されたこの大型の装置が、再生ポリエステル樹脂を作り出します。ポリエステル以外の繊維が混じっていても、そこからポリエステルを解重合(分解)する技術があり、ボタンやファスナーなどが付属している衣類からもポリエステルを抽出して再生できることが大きな特徴です。

お米のような粒状になっているものが、不要な服から新たに作られた再生ポリエステル樹脂。この樹脂200250グラム程度で、Tシャツ1枚分相当の繊維になるそう。NAGIEがお客様から回収したアイテムも、この再生ポリエステル樹脂に転じていきます。

お話を伺う中でアンバサダーのみなさんが驚いていたのは、冷蔵庫やテレビといった家電製品の廃棄量が年間約65万トンなのに対し、衣類の廃棄量は年間100万トン以上であること。カーテンやカーペットといった繊維製品を合わせると、その量は200万トンにもおよぶと言われています。

環境にやさしい循環型社会の実現のため、家電リサイクル法(2001年4月施行)や食品リサイクル法(2001年5月施行)といった数々のリサイクル法が施行される中、繊維製品はこれだけ大量に廃棄されながらも、法の制定には至っていない現状があります。そんな中、日本環境設計の『再生ポリエステル製造事業』は、繊維リサイクルのパイオニアとして業界をリードする存在です。

資源の再生活用は“平和”にもつながる?未来の子どもたちのためにできること

家庭から出るゴミを分別回収して再資源化を促進する、容器包装リサイクル法(19956月公布)の制定に尽力したという岩元会長。回収されたペットボトルから繊維を作り出し、それを服にすることまではできるものの、その服が不要になった際に、焼却・埋め立て廃棄である末路に直面しました。そこで、一方通行で終わるリサイクルではなく、2周3周と“循環”していく仕組み作りに興味が湧いたと言います。

“服から服を作る技術”の良いところは 焼却処分をしないため、地球温暖化につながるCO2の排出を削減できること。そして、大量の水や石油など新たな資源を使わないことにあります。ポリエステル繊維は石油(地下資源)が原料ですが、地下資源の争奪が世の中の混乱につながっている側面があることは否定できません。


「国内外に技術を探してもなかったので、一緒にやる仲間を見つけて技術開発や仕組み作りをしようと日本環境設計を設立しました。10回でも100回でも1000回でもリサイクルできるのがポイント。そして、新たな資源を使わないので戦争やテロをなくすことを目指せる……。実はこういうコンセプトの工場なのです」(岩元会長)

日本環境設計は2015年、映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズに登場するゴミを燃料にしたタイムマシン“デロリアン”を、不要になった衣類から生成したバイオ燃料で走らせるイベントを実施し、大きな注目を集めました。このイベントが実現できたのは、資源の再生活用が平和につながるという想いが、ハリウッドにも伝わったからだと岩元会長は振り返ります。

「未来の子どもたちのために何ができるのか? やっぱりこの地球を長く存続させたい。一番大切なのは循環型社会をつくることです」と、熱い想いを語りました。

“リサイクル技術”と“ファッション”の両輪で叶える循環型社会

どんなに素晴らしいリサイクル技術があっても、「着たい!」と思ってもらえるオシャレな服を作らなければ循環は生まれない。高いデザイン性が、目指すべきゴールへと向かう歩みを加速させる——。岩元会長もNAGIEも同じ方向を見ています。

「リサイクル素材だから買うのではなく、素敵だなと思ったらリサイクル素材でできていたという流れにしたい。ですから“リサイクル技術”と“ファッション”の両輪が必要です。この2つがあって、ファッション業界のリサイクルが進むと思っています。この課題は1社では実現できませんので、みなさんと楽しく力を合わせて発信していくことが大切です」(岩元会長)

この訪問を通して、NAGIEの“循環させるブランドを目指す”という想い、そしてそれに賛同してくださるアンバサダーのみなさんの想いが、さらに強固なものになったと感じます。NAGIEを統括している茨城は、「ムーブメントではなく、新しい当たり前を作っていきたい。日本環境設計さんの技術は切っても切り離せないものなので、ぜひこれからも一緒に取り組ませていただきたいです」と、共に“循環型社会”を目指すパートナーとしての想いを伝えました。